『多度大社』について
三重県北部、古来より多度山を神様が鎮座する山「神体山」として仰がれてきました。
神体山と仰ぐ多度山の麓にある『多度大社』の御創祀時期は定かではありませんが、神代の古に遡ると言われています。
その後5世紀後半雄略天皇の御代に社殿が建てられて以来、多くの信仰を集め、現在に至ります。
本宮に「天津彦根命」別宮に「天目一箇命」をお祀りしており、伊勢の神宮のご祭神である「天照大御神」の御子神、孫神にあたることから、北伊勢大神宮ともよばれ、「お伊勢参らばお多度もかけよ、お多度かけねば片まいり」と詠われてきた古社は、現在でも地元を中心に厚い崇敬を受け、境内には、本宮、別宮、摂社末社等12社があり、年中70数度の恒例祭儀が行われています。
その恒例祭儀の中で全国的にも有名なものが「上げ馬神事」となります。
「上げ馬神事」について
5月4日・5日の上げ馬神事は少年騎手が2メートル余りの絶壁を駆け上がり、上がった頭数でその年の農作物の豊凶や景気の良し悪しを占うという天下の奇祭です。
一般的には多度祭と称される中の神賑行事である「上げ馬神事」毎年十数万人の参詣者が訪れるイベントになっています。
この神事は、南北朝時代の暦応年間より始まったとされておりますが、どのようにして始まりをみせたのかは明らかではありません。
神事の歴史は、まず、お旅所行列に巡行される三基の御神輿が献納され、神事料米10石5斗、馬具等が貸与されると共に、御厨(神饌をお供えする地区)が定められ、御厨の者に「神慮をうかがいつとむべし」との命をくだされ、武家社会から御厨を中心とした民の神事へと移り変わりました。
その後も、歴代桑名藩主により、手厚い保護のもと今日まで継承され、昭和53年には、三重県無形民俗文化財に指定されています。
御厨は七地区からなり、神児一名(肱江地区)騎手六名(小山・戸津・北猪飼・猪飼・力尾・多度地区から一名宛)が選出されます。
この神事では、古くより農作の時期や豊凶を占われております。数多く上がれば豊作、少なければ凶作、又最初の方の馬が上がれば「早稲(わせ)」、中頃であがれば「中手(なかて)」最後の方であれば「晩稲(おくて)」の苗を選ぶと良いとされ、稲の品種も占われてきました。
2023年 「上げ馬神事」のニュース配信動画(配信元:メーテレ)
『多度大社』へのアクセスについて
【所在地】:三重県桑名市多度町多度1681
【多度大社へのアクセス】
(車の場合)
東名阪自動車道 桑名東ICより・・・10分
東名阪自動車道 弥冨ICより・・・15分
伊勢湾岸自動車道 湾岸桑名ICより・・・20分
※多度大社周辺に参拝者用の駐車場はありますが、台数に限りがありますので「初詣」や「上げ馬神事」のときには車では避けた方がいいかもしれません。
(電車の場合)
近鉄 名古屋線
近鉄名古屋駅 → 桑名駅乗り換え → 養老鉄道 多度駅
JR関西線
名古屋駅 → 桑名駅乗り換え → 養老鉄道 多度駅
多度駅から多度大社まで1.5㎞程(徒歩20分程度)あります。バスはありませんので、多度駅からは徒歩からタクシーとなります。
コメントを残す